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寝不足と新年度でバタバタしてたせいでぐっすり眠ってしまい今戻しました!
今日サイト見てびっくりされた方がいたらすみませんでした!
大体は一昨年のエイプリルフールが終わってすぐに作ってたものでした。
なので今回の企画はほぼ準備なしでした!一昨年の私ありがとう!笑
なんで去年このネタを使わなかったのかなー??多分ノリですね。
しかし、ネタサイトだけど中身は普通に大菊小説でした。
久々に作品を最後まで書ききることができてほっとしてます。
急いで完成させたのでそっけない感じの文章かもしれませんが…
ちょっと寂しい話なのでまあこれでいいかと思います。
またサイトに載せるときに直すかも?
そして、サイトを復活したいと思います。(これは嘘じゃないですよ!笑)
半年以上休止の状態になってしまい、すみませんでした。
なかなか忙しく、更新ができると保証はできないのですが、サイトのことを考える余裕は戻ってきたと思います。
休止中も、サイトや作品のことだけでなく、私自身のことも心配していただいたメッセージをいただきました。
本当に励みになりました。ありがとうございました!
休止中はお返事をおやすみさせていただいていたのですが、また後日返させていただきたいと思います。
「もう何送ったか覚えてないよー!今更じゃん!」という方がほとんどかもしれませんが、
いただきっぱなしのままでは申し訳ないという私のただの自己満足です。ご了承くださいー!
それではひとまず、企画に載せた大菊小説をつづきに載せたいと思います。
ご覧になりたい方は続きをどうぞ!↓↓
センチメンタル
卒業式が終わり、みんなで泣いて、寄せ書きを書いて写真を撮って、とうとう解散をした教室から、一人でベランダへと出る。
部活をやっていた連中はそちらに顔を出すからと早々にいなくなったが、帰宅部や部活で集まりのないやつらはまだちらほらと教室に残っていた。
ついに中学を卒業して、一つ大人になったようなわくわくした感じがクラス中に漂っていた。みんなの目にさっきまであった涙は消え、和やかな空気でそれぞれ話をしている。
俺は、窓の向こうにいる皆の様子を眺めながら、何をする訳でもなくぼーっとしていた。
「英二、お前テニス部へは行かなくていいのか?」
仲の良かったクラスメートが教室から顔を覗かせる。
「不二はとっくに向かったじゃん。大丈夫?」
どうやら、ずっと教室に残ったままの俺を心配してくれたみたいだ。
クラスが解散した後、不二には先に行ってくれと伝えた。不二は理由も聞かずにすんなりと承諾し、部室へ向かっていた。
「うん、後で行くから大丈夫。サンキュー」
と答えると、クラスメートは納得したように「そっか」と頷き、また友達の輪の中へと戻っていった。
特に教室に残らなきゃいけない用事はなかった。ただ、まだなんとなく部室に行く気分ではなかった。
それから少したった頃、うちのクラスではない──けれど、見覚えのありすぎるやつが教室へと入ってきた。
少しきょろきょろした後、そいつの目が俺を捉える。
ああ、よかった。英二がいた。
そんな顔をした後、こちらへと向かってくる。自分の教室ではないのに何も躊躇うことなく人ごみを抜い、ベランダの戸を開け、俺のそばまでやってきた。
「何しに来たの、大石?」
と、やってきた大石に話しかける。
「何って、英二を迎えに来たに決まってるじゃないか」
大石そう言って笑った。当たり前だろ、と言わんばかりの笑顔だ。もちろん、教室に入ってきた大石を見た瞬間、自分を探しに来たことは分かっていた。
「いつまでたっても英二が来ないからさ。もうみんな部室に集まってるぞ」
「なんで、お前?」
でも、なんとなく大石が来たことが面白くなくて、素っ気なく返事をする。しかし、大石はそんな俺の態度にも表情を変えない。
「そりゃあ、俺たちはゴールデンペアだからな」
その答えも、分かり切ったものだった。
「……いつもお前は俺のお守りしてたよな」
「英二だけだったら楽だったんだけどな」
そう大石は苦笑する。
夏の頃を思い出した。とにかく個性的なメンバーばかりで、いつも大石は苦労していた。その中でも、特に俺は迷惑をかけていたと思う。
「悪いね。最後までお守りさせて」
最後まで。
自分で口にした言葉に寂しさを覚えた。
「何かあったのか?」
俺の心境を察したのか、大石は真剣な表情になる。
「いや、別に」
嘘じゃない。本当に、何かがあったわけではなかった。
「でも……」
大石は心配そうに眉をひそめた。その表情に胸がちくっとした。
くっそう。またこんな顔させちゃった。
ちょっとだけここにいて、笑顔で部室に行くつもりだったのに。大石に余計な心配かけないつもりだったのに。
「だから何でもないんだって。ただ、ちょっと浸ってただけー」
おどけた声を出す。
俺の言葉に、大石は少しだけ驚いた顔を見せた。しかし、すぐにいつものようにやさしく微笑んだ。
「……そうか」
「お前、おかしいと思ってんだろ。俺が『浸ってる』とか言って」
そんなキャラじゃないなんて、自分でも分かってる。
「そんなことないよ」
「うっそだー! 笑ってるじゃん」
「笑ってないって」
「どうだかね」
そう言って大石から顔を背けると、ぽんと頭の上に掌が置かれた。強く頭をわしゃわしゃと撫でられる。
口には出さないけど、すごくほっとした。でも、きっと大石には分かられているんだろう。
最後まで、お守りをされてしまった。
大石が迎えに来たことがなんとなく面白くなかったのは、大石のせいじゃない。
まだ大石に迷惑かける自分が情けなかったからだった。
来てくれた大石を見つけた瞬間、嬉しかった気持ちを誤魔化したかったからだった。
「じゃあ俺も、ちょっと浸ろうかな」
と言うと大石は、ベランダの手すりに腕を組んで学校を眺めた。
「ここからじゃ部室は見えないな」
「そうだね」
俺も、学校を眺めた。
大石といた、学校。
ちょっとくらい浸ったって、いいじゃんか。
クラス替えの度に、一緒のクラスになれるといいなと二人で話した。期待しながらクラス名簿の名前を探して、毎年落胆した。
教科書を忘れたときは、真っ先に借りに行った。
テスト週間、放課後の教室で宿題を教えてもらった。
食堂にいったらたまたま大石もいて、一緒にご飯を食べた。
ストレッチをしていると大石たちがやってきて、練習メニューを発表した。いつもそれが部活の始まりだった。
ずっとずっと大石がいたのに。ずっとずっと大石と一緒だったのに。
ちょっとくらい浸ったって、いいじゃんか。
もうこれからは、そこに大石がいないんだから。
「お前と違う学校になるの、やだな」
ちょっと子どもっぽいことを言う。
「うん。俺も嫌だな」
だけど、大石も同意してくれてほっとした。嬉しかった。
「友達できるかな?」
冗談っぽく大石が笑う。
「……できないかもね」
「おいおい、それはないだろう」
大石の情けない声に、思わす吹き出す。
「冗談! できるよ、大石ならさ」
「うん」
「友達もできるし、また学級委員にもなれるし、学年1番もとれる」
大石の顔を見る。今日初めて大石と正面から向き合えた。
「そんで、医者になるんだろ?」
強い目をしていた。
全国ナンバー1のペアになろうと誓ったときと、同じ目だった。
その目をみて、大丈夫だって思った。
大丈夫だ。俺たちはずっとゴールデンペアでいられるって。
「ありがとう」
大石が頷く。
「そろそろ行こうか。みんな待ってるよ、きっと」
「ああ」
大石に背を向けて、ベランダを出ようとする。その瞬間、後ろからぽつりと大石の声が聞こえた。
「俺も、英二にいつもお守りしてもらってたんだな」
「そうかな?」
大石の発言を不思議に思う。俺が大石を世話したなんて、そんな記憶はなかった。
「ずっと英二に甘えてたんだ。今だってそうだよ。……ありがとう、英二」
大石が言いたいことが分かった。ごめんじゃなくて、ありがとうと言われたことが嬉しくて、急に胸が詰まった。
俺だってそうだったよ。
ありがとうなんてお互い様だよ、大石。
「……当たり前だろ、俺たちゴールデンペアなんだから」
目の奥が熱くなったのを隠そうと、にっと笑いながら大石の方を見る。
「ああ。最高の相棒だったよ」
「だろー?」
だけどそれも、大石にはお見通しだったのかもしれない。
「全く、手のかかる相棒だったにゃー」
「英二だってなかなかだったぞ」
「うっさいなー! こんな頼もしい相棒もう見つかんないぞ!」
「……うん。本当に、そう思うよ」
大石が寂しそうに笑う。
今のは反則だ。
こぼれた涙には、気づかないふりをしれくれた。大石は何も言わずに俺の手を掴み、歩きだす。俺はうつむいたまま大石に引っ張られて歩いていく。
しばらくして、大石も泣いているんだと分かった。
後ろ姿しか見えなかったけど、俺には分かった。
春の風がまだ五分咲きの桜の花を揺らす。
その風に、背中が押されたような気がした。
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